コスパのいい国日本で、最もコスパよく生きる方法(後編)

海外留学した上で気付いた、日本で更にコスパ良く生きる方法を解説します。外から見えてきた日本の短所を踏まえた話なので、できるだけデメリットを避け、日本暮らしのメリットを最大限に受けられるようにしました。

 

1.田舎暮らし

世界中の観光客が憧れ訪れる大都市Tokyo。日本のハイスタンダードを生み出し、発信している土地でもあります。遊べる場所もいっぱいあり、海外からはアーティストたちがわざわざライブをやりに出向いてくれたりします。多くの企業や大学が密集し、まさに何でもあり手に入る都市だと思います。しかし、あまりにも人混みが多く、狭い住宅と通勤ラッシュが日常茶飯事の場所では、多くの人は鬱になります。人口が多い割に孤独というのは皮肉ですが、地方なら世代を超えた交流があり、温かみと先人の知恵が多くあります。自然も豊かで、伝統行事や文化が残っている地方は、伸び伸びと子育てをするにも良いでしょう。限界集落でなければ、ある程度の利便性は確保されますし、更に東京などの大都市に近ければ、地方でもそこまで我慢や苦痛を感じないはずです。アウトドアが好きな人なら、年中楽しめますね。

 

2.地方の進学校、国立大で必要十分

日本の教育水準の高さは、前述の通りです。それでも心配なら、地域で一番の進学校に通いましょう。日本中、どこの地域にも優秀な子供は普遍的にいるので、地方であってもそれ以上のレベルのない学校なら、将来東大に行ったり何かで名を馳せるような変人たちと交わり、想像もつかない刺激を受けたりします。これは、勉強に限らず、価値観の多様性や尊敬できる友人が得られる可能性も高まります。

 

後に続く受験戦争についてですが、日本の避けたい文化の一つに思えます。まだ年頃の若い高校生にとって、まるで人生を決めてしまうかのように思える決断は、時に残酷です。欧米を見れば、東アジアのような過酷な受験文化は無く、受験で鬱になってしまうことは無いのですが、そんなことは日本の高校生には想像の余地もありません。(それでも中国や韓国の受験の方が、日本よりも熾烈を極めていますが)進学校では特に、偏差値至上主義が支持されていますが、巻き込まれる子供からしたら、必ずしも幸せなことではありません。

それに、これは私の感想ですが、PISAで測られる高校までの教育とは異なり、日本の大学教育の質は不十分に感じます。そもそも講義ばかりで議論の土壌がなく、考える能力と視野が広がりにくいです。専門性についても、日本の大学が契約しアクセスできる論文の数は少なく、英語教育の実用性の不十分さも相まってそれらを読めません。結局、高校時代に日本で受験に苦労したとしても、大学で得られる学びにそこまで大きな差がないので、コスパが悪いといえるでしょう。家賃の掛からない、自宅から通える国立大学で十分です。

 

また、選択肢として、在学中の交換留学を勧めます。特に、国立大学や有名私立大学なら、海外の大学との協定数が多いので、この点有利です。留学すれば、その経験や語学力が高まるのは当然ですが、交換留学なら、専門性を高められる上に、留学先の大学で授業料が掛からず、生活費だけで済みます。つまり、私費で語学留学をするよりも、「圧倒的にコスパがいい」のです。

更に日本の場合、国が留学を促進しているため、行政や民間から十分な奨学金が得られるケースが多いので、金銭的な心配もありません。(奨学金を獲得すれば、欧米で約100万円、アジア地域ならそれ以下の資金額で留学できる可能性が高いです。留学資金が学生のアルバイトで貯められる金額なのは嬉しいです。)社会人になると、何かを習得したり長期に渡って経験する時間が殆ど確保できないので、大学生の内に一通り成し遂げておきたいものです。

 

3.労働

日本の避けたい文化ランキング、エントリーナンバー2は、長時間労働、残業、低賃金、karoshiです。日本で長く働いたら負け!とさえ思えます。なにせ、欧米よりも低賃金の日本で長時間働いても、彼らの賃金水準には到底及びません。良くも悪くも、安い国日本ですから。たくさん稼ぎたい人は、海外で働けばいいのです。(英語教育の実用性のなさがハードルを上げ、日本人をそうはさせてくれませんが)それでも、日本のうまい飯を食べ、治安の良い日本に住み続けたいと願うなら、ある程度の賃金で妥協し、それよりもアフター5を守ることを優先したいものです。(一部職種を除いた)地方公務員や芸術家、テレワーク可能なプログラマー等なら、地方でスローライフを楽しみながら働きやすいでしょう。

 

4.老後

誰しも皆、いつかは退職がやってきて、老後がきます。老後に対して様々なイメージはありますが、私の知る限り、文化的な暮らしで適度に人と繋がりつつ、趣味に興じている場合、大抵楽しく過ごせるケースが多いでしょう。いずれはやって来る老後なら、ポジティブな態度で受け入れたいものです。前述した劣悪な労働環境に身を置くくらいなら、早期退職して健康寿命を伸ばしましょう。